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薬なしで頭痛を治す!更年期を身体の使い方を変えるチャンスに~アレクサンダー・テクニークによって起こった変化➀

今日はアレクサンダー・テクニークによって私自身に起きた変化について書きたいと思います。

アレクサンダー・テクニークを本格的に学ぼうと決心したのは47歳のときでした。当時の私は自分のスキルとしてアレクサンダー・テクニークを身につけたいと思っていましたが、実は当時はこれといって自分の身体的な問題に悩んでいたわけではありませんでした。というより、問題があっても解決の手段がわからないのでやり過ごしていたというのが正直なところです。

身体的な症状や不快感があっても、医者に行けば症状を抑える薬を処方されて済まされてしまうことがよくあります。薬で根本的に治らないことはわかっているし、ときには薬に依存して体に害を及ぼすことさえあります。

私は昔からそういう経験をしてきました。代表的なのは生理痛です。私は10~20代の頃は救急車で運ばれたこともあるほどひどい生理痛持ちでした。いろいろな医者に会っても、結局わかったのは、医者は何もわからないのだということでした。これは批判ではなく、本当に誰も人間の身体についてはわからないのです。

ところが、28歳でベリーダンスを始めたら、激しい生理痛が見事に消えてしまったのです。これは、骨盤の位置を変えたことによって起こりました。それまでの私は激しく骨盤を前傾させていたのです。骨盤が変わったことで内臓の状態も変わり、血流が良くなったという感覚が自分でよくわかりました。

こういう経験があったので、人間の身体には、ふとしたきっかけで大きく変わる何かがあるということを薄々感じていました。それは現代医学とは違う「人間の身体の科学」ですが、今の段階では学問として確立したものが見つかりにくい分野です。

年齢を重ねてきて、私にはまたひとつ問題が生じてきました。40代に入った頃から時折、頭痛が起るようになり、ひどいときは吐き気を伴い、ときには2日間続くこともありました。いわゆる更年期と呼ばれるものでしょうか。若い頃は2日酔いなんてほとんどなかったのに、お酒を飲むと特に頭痛が起きやすく、お酒を飲まなくてもしばしば起こりました。

当時は痛い時には寝てしまう、それが無理なら薬を飲み、なんとかごまかしていました。ところが、あるとき風邪薬を飲んで全身に蕁麻疹がでてしまい、それ以来、安易に薬を飲むことも恐ろしくなってしまいました。

そんな頃、時を同じくして出会ったのがアレクサンダー・テクニークでした。もしや、アレクサンダー・テクニークを使って頭痛を和らげることはできないだろうか。私はそう考えました。

実は以前にどこかで、「頭痛は頭蓋骨内の筋肉的緊張から起こる。これを緩めることができるようになると自分で治すことができる」というのを読んだことがあり、その真偽はともかく、それを信じてやってみようと思ったのです。いわば頭蓋骨内の筋肉ストレッチのようなことです。

自分の身体で漠然と感じていたのは、目の奥や周辺の筋肉の緊張、噛みしめに関わる筋肉の緊張、そして後頭下筋群と呼ばれる頭蓋骨と脊椎をつなぐ筋肉の緊張でした。頭痛が起きるときにはこれらの筋肉が激しくこわばり、首も肩も背中もガチガチになってしまうのです。

アレクサンダー・テクニークの基本である「頭が脊椎の上で繊細に動く」「頭が脊椎から離れていく」は、これが本当にうまくいけば上記の筋肉も結果的に解放されていきます。アレクサンダー・テクニークの学校に入ると、何年も、ただただひたすら、これを練習するのです。それは今まで慣れ親しんできた運動やストレッチとは違う、もっと静かで微細な、別次元の身体の使い方でした。

でも、ビギナーの私にとっては、なかなか思うように頭が脊椎の上で繊細には動いてくれませんでした。ましてや頭痛がする状態でそれを行うのは至難の業です。今思えば、この頃の私は「頭が脊椎から離れていく」どころか頭を脊椎に押し付けていたのです。当然、頭痛はひどくなる一方でした。

それから2年後くらいでしょうか。あるとき散歩中に、ふっと頭が軽くなる体験をしました。その瞬間、口の中に唾液がジュワッと溢れてきて、視界が広がった感覚があり、脊椎全体が弾力を帯びて体全体が軽やかになったのです。意味もなく至福感が湧いてきました。そのときの周囲の景色も強く記憶に残っています。この体験は私にとって忘れられないものになりました。

その瞬間を境に、私の頭蓋骨は脊椎の上で少しずつ動いてくれるようになりました。すると、しだいに私の頭蓋骨の状態が変化してきたのです。少しずつ、自分が頭や首で「やっていること」に気づけるようになっていきました。

「ここに頭を位置させておくと痛くなるな」とか「頭を下方向に引っ張っていたな」とか、小さな自分の変化に以前よりも敏感になっていきました。特にストレスを感じているとき、頭や首はすぐに緊張して固まってしまいます。こうした緊張が、頭痛を引き起こす原因のひとつでした。

そんな試行錯誤をまた1年くらい続けていると、しだいに頭痛の頻度が減り、起きても症状が軽くなっていきました。以前は丸一日寝ているしかなかったのが、最近では半日で回復することが多く、ときには数時間で治ってしまうほどになったのです。

いつもうまくいくわけではありませんが、右側の頭が痛いときに、頭蓋骨の後頭顆(頭蓋骨が脊椎と接するところ)の右側をわずかに傾け、しばらく脊椎から離しておくと頭痛が消えてしまうということもあります。これは、明らかに自分が頭を脊椎に押し付けているのが痛みの原因であるという証拠です。

今も頭痛との格闘(もしくは痛みによる導き)は継続中です。完全になくなったわけではありません。日頃から頭や首周辺の緊張に敏感になって完全に予防できればベストなのですが、それでも理由なく頭痛は起きてしまいます。

アレクサンダー・テクニークのレッスンでよく先生が口にするのは「痛みは友達」という言葉です。何かが起きているから、身体が赤信号を点滅させているのです。年齢的には更年期障害の一言で済ませてしまうこともできますが、そもそも更年期障害とはなんでしょう。「それまでの身体の使い方ではこの先キツイよ」という身体からのサインではないでしょうか。

頭痛以外に、アレクサンダー・テクニークで改善したことは股関節のつまりの軽減、動きづらかった右脚の動きの改善、ときどき感じる首のツリがなくなったこと、など。これらは、わりと早い段階で起こった変化でした。しかしその後、やや遅れてやってきた変化はよりセンセーショナルだったといっていいかもしれません。

それは、それまで私があまり自覚していなかったこと、痛みまではいかない身体の不快感。なんとなく感じていた息苦しさ、喉のつまり、胸のつまり、不完全な呼吸から生じる口呼吸、食いしばり…。こうした、いわば医者に相談しても根本的な対処をしてくれない症状の数々です。

アレクサンダー・テクニークを始めたときには期待していなかったのですが、これらの身体的不快感が、今、徐々になくなり始めています。こうした、いわば「副産物」がアレクサンダー・テクニークを学んでいる過程でいくつも起きてきます。

この続きは次回「アレクサンダー・テクニークによって起こった変化②」に書きたいと思います。

Fatima(大島ふみこ)

引用元:ヒューマン・アナトミー・アトラス

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