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反り腰や猫背は身体的緊張の習慣化である~アレクサンダーテクニークとは

今日はアレクサンダー・テクニークについて書こうと思います。

アレクサンダー・テクニークに出会ったのは、ベリーダンスを教えるようになって15年経った5年前。人間の身体についてより専門的な知識が必要だと感じるようになりました。フィットネスに通ったり、高い講座を受けたり、解剖学はどこで勉強できるのかと大学の学部を調べたこともありました。でも、より私が望む「身体の使い方」に特化したのがアレクサンダー・テクニークだったのです。

アレクサンダー・テクニークとは「頭と脊椎の関係性が身体全体の機能に影響する」というF.Mアレクサンダー氏の発見にもとづいた、身体の使い方のメソッド(方法)です。これはまず頭と脊椎の関係性に変化を起こし、私たちが知らず知らず身につけてしまった身体的な緊張を取り除いていくことで、身体を解放していきます。

人間は本来、優れた機能をもって生まれてきます。赤ちゃんが自分で立ち、歩き始めるように、もともと私たちは教えられなくても身体を効率的に使う術を知っているはずなのですが、環境や教育、体験、思考(ストレス)などにより、大人になる頃には(多くは非常に若年期に)、無意識に不必要な緊張を身にまとってしまうのです。

こうした不必要な緊張が、座っているときも立っているときも踊るときも存在し続け、それが習慣化してやがては私たちの在り方そのものになってしまいます。

「私は前肩」「私は反り腰」「私は猫背」などという言葉を誰しも口にしたことがあるでしょう。しかし、これらはすべて「不必要な身体的緊張」なのです。アレクサンダー・テクニークによってこれらの緊張は、ときにはほんの数分で手放すことができるのです。私も目の前で人が見る見るうちに変わっていくのを、何度も目にしました。

「ダンスを習う」というのは何かを習得する(プラスする)ものと安易に考えがちですが、実際、指導していると、身体的クセが強すぎて、それらをまず取り除く(マイナスする)ことのほうが先であると感じることが多いのです。クセとは個性ではなく、身体的な緊張です。身体的な緊張が習慣となり、調和のとれた本来の自然な動きを妨げてしまうから、ある種の動きを難しいと感じるのです。たとえば、頭を後ろに倒しながらターンをすれば後ろに引っぱられてバランスが悪くなるのは当然です。頭を後ろに倒すのをやめればよいのです。

とはいえ、こういう習慣を「やめる」ことは簡単なことではありません。長い時間にわたって身につけてきた習慣は、私たちにとって当たり前のものとなってしまい、自分が緊張していることにすら気づかないことがほとんどなのです。スタジオに来る生徒の多くは頭を後ろに倒していますが、自分が頭を後ろに倒していると知っている人はほとんどいません。まずは自分が何をしているか(どんな習慣をもっているか)を知ることから、アレクサンダー・テクニークは始まります。

アレクサンダー・テクニークは施術やセラピーではなく、教育です。教師のもとでレッスンを受けることで、自分を知り、古い習慣を新しい習慣に書き換えていきます。

日本ではまだまだ知名度の低いメソッドですが、海外では芸術大学でアレクサンダー・テクニークが必須科目になることもあります。ダンス、演劇、歌、スポーツなどあらゆるパフォーマンス活動において、最もベースとなるものとして使われているのです。パフォーマンスの向上、そしてもちろん腰痛や肩こりなどの痛みの改善として、一部の医療従事者も関心を寄せています。

次回は頭と脊椎の関係性について書きたいと思います。

Fatima(大島ふみこ)

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